第1章
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だけど……。 「ううーっ、寒いねぇー」 靴箱を出て自転車置き場に向かう俺たちの横を、冷たい風が通り過ぎていく。 小さな体を、一段と縮ませて手袋をした両手を頬に当てる羽村が、俺に笑いかける。 吐く息が白く揺れ、すぐに透明になった。 ───仕方ないじゃん。
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