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タタンッ、人気の少ない階段に自分の軽やかな足音が響く。
教室のある階で、左に折れるとひとつだけ煌々とした明かりが廊下を斜めに照らしている。
あれ、うちのクラス、まだ誰か残ってんのか?
疑問に思いながら教室に足を踏み入れると。
「あ、柴田君!
お帰りっ!!」
「羽村……」
「カバンあったから、待ってたの。
一緒帰ろ?」
読んでいた本を閉じて、花の咲くような笑顔を向けてくる。
参るよなぁ……ホント。
不意打ちに苦笑いを落としながらも、弾む胸はとても正直で。
「どーせ暗くなったから一人で帰るの怖かっただけだろー?」
「バレた?」
帰り支度をしながら照れくさそうに本音を漏らす。
「しょーがねーなぁー。
肉まんで手ェ打ってやるよ」
「ええっ!?
有料なの!?」
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