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布都斯と下春が寝殿の上座に座り、和仁は居並ぶ鉄穴衆とともに二人に対座した。寝殿の東側には、遠呂智と予矛珠と荒海の遺体が寝かされている。
怪訝な顔をしている布都斯と下春に、和仁は言った。
「荒海は鉄穴衆を駆りたてて、布都斯殿を討とうとしたゆえ、俺が切り捨てた・・・。
木次の館で交わした言葉に嘘はない。
我らは皆、蹈鞴衆に従い、定めに従う・・・。
だが、一つだけ頼みがある。西利太を村として扱ってほしいのだ」
「木次郷に組み入れろ、と言うのかっ」
驚いたように布都斯が言った。
和仁は、布都斯が和仁の真意を確かめるため、知らぬふりをしているのを感じた。まるで遠呂智のようだ、と思いながら、背後の鉄穴衆を示し、
「そうだ。遠呂智のものだった西利太は、鉄穴衆一人一人のものになった。村に変わったのだ」
と西利太の変化を強調した。
木次郷は木次村と加茂村、大東村から成っている。予矛珠が戒められた今、木次郷の村上は布都斯と下春である。
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