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教室を出ても、靴を履き替えても、校門を抜けても、菅原くんの心の中のモヤモヤは晴れませんし、一度着いてしまった恋慕の炎は消えませんでした。
こんなことは初めてです。
ーーおれは変になったんだろうか
ーー知らねえよ
竹内くんは面倒くさそうに返事をします。
ーー(どうして、水上さんのことは諦められないんだろう?)
菅原くんは考えます。
答えは出ません。
こんなことは初めてですから。
全くの未知ですから。
考えたって考えたって、理由なんてわかりません。
菅原くんは考え続けていましたが、頭の中の水上洋子を蹴っ飛ばして四色ペンが現れたので、驚いて思わず足を止めました。
ーーどうしたよ
ーーいいや、ちょっとね
竹内くんの方を向くと、文房具屋がありました。
あっ、そういえば四色ペンのインクが切れていたんだ、菅原くんは思い出しました。
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