紙一重

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『名前、なんだったかしらね』 次の日の帰り道も菅原くんは文房具屋に向かい、このメッセージを見つけました。 『言いたくないならいいんだ』 ここまで書いた菅原くんは、次の言葉を書き込もうとして、ためらって、それでもやっぱり書き込みました。 『それより、僕とお話しませんか』 書き終えてみて、急に恥ずかしくなり、上から二本線を引いて帰りました。 『いいよ。菅原のこともっと知りたい』 次の日、このメッセージを見つけた菅原くんの胸の中は、恥ずかしさと嬉しさとがまぜこぜになったので満たされていました。 『わかった。何が聞きたいんだい』 笑顔で書き込む菅原くん。 彼はこの時、ただ単にこの、少し不思議な体験に興奮しているだけでした。
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