ある冬の一日

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雪が降ってきた。 団子みたいに固まって落ちる雪を温かい部屋から見る。 本格的に冬がやってきたのだ。 「ハルキ君、今日はお出かけですか?」 「まあな!つか、マジで寒いな!ニンゲンって、良く生きてるよな~」 ダッフルコートを着込んで、ニット帽をかぶり、マフラーをこれでもかと巻く。 これくらいしないと、冬は過ごせない。 「で、今日は、どこですか?」 「あー…麟んとこ。じゃあ、いってきまーす!」 「はいです。気をつけてくださいね」 オレは、学園に入学してから、麟のやつとつるむことが多くなった。 麟ってのは、かなりの変わり者で、いわゆる一種の変態だ。 妙な喋り方するし、趣味も怪しいし。 そんな麟のところへ、今から向かう。 駅前の通りを少しいくと、麟の住んでる家が見えてくる。 呼び鈴を押すと、麟の同居人の蓮が出てきた。
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