犬猿のひみつ

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ボクは、イツキ。 今は、神社で働く神主さんだよ。 年末年始を乗り切って、ほっと一息。参拝客も少なくなったなぁ。 いつものように授与所の戸締りをし、社務所で事務をしていると明るい声が聞こえた。 「イーツーキッ!!」 「あ、ルキくん。どうしたのかな?」 「学園の帰りに寄ったんだよ!一緒に帰ろうぜー」 「ふふっ。ありがとう。」 この子は、ハルキくん。一緒に暮らしてる家族なんだ。擬人学園に通っていて、とっても寂しがりやさん。部活で遅くなったりすると、ボクを迎えに来てくれる。 「すぐ終わるから、ちょっと待っててね」 「おうっ!!早くしろよなっ」 そわそわしてるハルキくんを見て、思わず心が和む。 簡単に片付けを済ますと、着替えもせずに袴のまま帰ることにした。 もう外は夕焼けで、少し肌寒い。 「おっ!ナツキからメールだーっ!晩御飯は、フユキ特製のカレーだってよっ!!」 なっちゃんもフユくんも、ルキくん同様、ボクの家族。それから、ニンゲンの「せんせー」とでボクらは暮らしている。 「それはとても美味しそうだね~。寄り道しないで帰ろっか」 「当たり前だろーっっ!」 そう言って、ルキくんがボクの手を引いていく。なんだか、こういう光景、久しぶりだな。
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