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今日は、帰るのが早い日なので誰もいない。
先生は仕事だし、一緒に暮らしているフユキは部活、ハルキはきっと寄り道している。
「あぅぅ……誰もいないです」
こういう時、ふと昔の記憶が頭をよぎる。兎の頃の記憶。
暗闇の中に、見上げると空色の月が浮かんでいる。
母が、その月の向こう側に行ってしまって、途方に暮れているのだ。
その母は、僕をかばって足を怪我してる。
どうやって、あの月の向こう側に行ったんだろう。
僕は、母に見放されて、このまま死んでしまうのだろうか。
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