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「せんせ……僕、これ…見ちゃったです…」
「ん?なんの?」
「先生と先生の兎さんのアルバム」
「ああ…」
先生は、僕が持っていたアルバムを手に取ると、写真に写っている兎の話をしてくれた。
先生が幼い頃、湖畔の砂場で穴に落ちて困っている兎の親子に出会ったこと。
子どもたちには里親が見つかったが、母親だけ先生の元に残ったこと。
僕はその話を聞きながら、僕がここにいる意味を何度も考えていた。
よく思い返すあの空色の月のことも。
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