小鳥遊雄

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「バイオリニスト・・・」 「そう!」 今まで見たことのないくらいの笑顔で言った。 あぁ、そっか。 わかった。 私が一番見ていけないのはこの顔。 小鳥遊の笑顔はダメだ。 「聞いてて、弾くから」 「え・・・」 そういうと小鳥遊はバイオリンを弾き始めた。 柔らかい音と小鳥遊の笑顔。 うたれた。 初めての感覚。 涙が出そうになりココアを一口のむ。 甘さが口の中に溶けた。 この味好きだ。 あ、これははまる。 何もかも。 私は、ココアを一気飲みした。 「小鳥遊。ありがとう。 私、小鳥遊のバイオリンすき」 「あ、ありがとう。椎名さん帰る?」 「うん。用事あるし」 「そっか・・・また来てよ。僕毎日ここにいるから。 明日は、アップルティーをごちそうするよ」 また、あの笑顔で笑った。
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