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「黒瀬春樹。なんで人を殴るの?」
「は?」
いきなり出てきて。
いきなり変なこと言い出す私を見て。
黒瀬春樹は呆然とする。
そりゃあそうか。
「よそ見してるとあぶねーぞっ!!!」
その間も不良は容赦なく殴りかかる。
私はそんなのお構いなしに。
ゆっくり黒瀬春樹に近寄った。
「あぶねーよ!!何来てんだよ!」
「質問に答えてよ!!!」
なんで、こんなに。
こんなに聞いてるんだろう。
別にどうだっていいのに。
逃げちゃえばいいのに。
なんでだろう。
「女を殴る趣味はねーけどお前邪魔なんだよっ!!!」
そう言って、私がいるのにも関わらず不良は殴りかかる。
でも、私は殴られなかった。
黒瀬春樹が守ったから。
私を抱きしめて。
あ、そうか。
なんで知りたいのかわかった。
この人が理由もなく人を殴る人だと思いたくなかったんだ。
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