始まりの

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「おはよう」 「おはよう、小鳥遊」 朝の教室。 クラスの子の他に他クラスの子。 知らない子や、先輩までいるこの時間は。 私はあまり好きじゃない。 そんな中必ず私に朝の挨拶をしてくるやつがいる。 「小鳥遊、毎朝なんで私に挨拶するの?」 「隣の席だから」 そんなことを言ってにこっとわらった。 顔が整っているから微笑まれただけで少し顔が熱くなる。 小鳥遊は本当に綺麗な顔立ちだ。 特に目。 小鳥遊の目は瞳の部分がとても大きくて。 吸い込まれそうになる。 笑うと少し細くなる。 とても綺麗な目だ。 「おはよう!ユウキ!」 「おはよう、ミク」 元気よく私のところに来た美紅は。 ちらりと小鳥遊のほうを見て。 わざと目が合うようにして。 挨拶をする。 その後の笑顔から。 あー、美紅は小鳥遊が好きなんだ。 って思う。 「あ!そうだ。ね、昨日のミュージックスタジオ見た?」 「昨日の?見たよ。ミクの好きなFreeeでてたよね」 「そう!Freeeでてたの!!」 Freeeとは最近有名な高校生アイドルのこと。 カナデ、リン、キョウの3人で。 だからeが3つという単語のスペルなど無視しているグループ。 まぁ、私はそんなにアイドル好きなタイプじゃないけれど。 Freeeはアイドルだけど。 アイドルっぽくなくて好きだ。 ダンスも歌もかなりうまいし。 何より曲が好きだ。 カナデが作詞。リンが作曲。キョウが振り付け。 そう決まっていて。 人としても尊敬できる。 「昨日メドレー歌ってたじゃん?あの中に入ってた、[機械と僕]って歌。 あれ、[スカイライト]のカップリングなんだけどねー」 さっきの笑顔とは違う笑顔で。 ミクがFreeeの話を始める。 私がFreeeを聴き始めたのもミクがきっかけで。 そんな話をしているとチャイムがなり。 慌ててミクが席に向かった。
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