眠り王子。

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「……なーぁ、さーや。 俺な……」 指の動きを止めて凪砂が真面目な口ぶりで言う。 「んんっ、なに!?」 しゃった! 声裏返っちゃったが。 「ねむ……」 ……なーぁ? じぶん、今さっきまで寝てたが。 まだ寝るつもりなん? 言うや否や、凪砂は砂浜の上に直接ころん、と寝転がる。 クッと鳴った砂が同じ色をした髪に溶け込んでいく。 「凪砂……、砂が髪に絡んだら洗い流すの大変だや?」 そう声をかけるも凪砂の意識はとうに落ちていて。 まぶたはかたく閉じられている。 覗き込むようにしても何の反応も見せない。
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