第1章

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しばらくそのままボーッとしていたけど、なんかだんだん腹が立ってきた。 なんで俺あんなヤツに振り回されて動揺してんだよ…っ。 きっといつもあんな風に女子に手を出してるんだ。 それを男子にもするとか、あいつ頭おかしいんだ。 頭を振って、気のせいだと思うことにして立ち上がった。 ずんずん廊下を歩きながら、明日は絶対サボッてやる…と息巻いたけど、それだと逆に俺が夏井を意識して避けてるみたいで癪だ。 「ちくしょう! 何なんだよ!!」 もやもやした気持ちの行き場がなくて、廊下にあったゴミ箱を蹴り倒すと、ガラガラと音を立てて、中のごみが散らばった。 あ…と思ってそれをしばらく見る。 「ッチ…」 正直、根っからの不良とは言えない俺は、自分の罪悪感には逆らえずに、それらを拾って元に戻していく。
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