第2章

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「おい、優。帰ってきてたんなら言えよ」 部屋で不貞寝してたら、兄貴が勝手に部屋に入ってきて俺を蹴っ飛ばした。 兄貴の秀(しゅう)は俺の8つ年上で、今は在宅でウェブデザインとかゲームデザイン関係の仕事をやっている。 篭る仕事のくせして、なんかいっつも爽やかな格好とかしてるしなんでもできる、まさに優秀な兄。 仕事が立て込んでる時は集中してるけど、基本共働きの両親に変わって家事とかもやってくれてる。 俺だって特に部活もしてないから手伝えって言われるけど、基本遊びに出歩いたり部屋でゲームしてる。 いいじゃん。俺扶養家族なんだし。 「兄貴…今日のメシ、カレー?」 食欲はなかったけど、美味しそうな匂いを察知してガバッと起き上がったら、反射的にお腹が鳴った。 悩んでも腹は減る。 好物のカレーでテンション上がったし、あんなヤツのことは忘れてしまえ。
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