第2章

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「なんかあったのか?」 …スプーンの中で小さいカレーライスを作り上げて口に運ぼうとしていたのに、兄貴の一言で止まった。 「……なんで」 「昨日から、ゲームの音しねーし。なんか様子変だし」 流石いつも家にいる人ですね。母親とかより目ざといですね。 まぁ、正直忙しい親に代わって小さい頃から兄貴は俺の母親代わりだったし、俺も兄貴には頭が上がらない。 俺と違って、しっかり者だしね。 「ちょっと、再試でいい点とらないと留年の危機って脅された…」 教師からキスされそうになったかもしんねぇ。 なんてこと、正直に言えるはずもないし。 「お前そんなに成績悪かったっけ? 理系は得意だろ」 「国語科目が壊滅的」 「あー…俺あんまり絵本とか読ませなかったかんな…」 兄貴が軽く責任を感じているような声を滲ませるから、焦って否定した。
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