第2章

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手洗い場で鏡を見ると、酷い顔をしていた。 俺、ちょっと睡眠時間が少ないだけで目の下の隈が目立っちゃうんだよな…。 「はぁ~あ」 嫌いな勉強を、嫌いなヤロウと一緒の空間で。 しかもなんか謎に動揺させられて。 憂鬱なことこの上ないけど、ここで逃げたらずっと気にしなきゃなんなさそうだし。 嫌なものはさっさと終わらせるに限る。 放課後、夏井は迎えにも来なくて…なんとなく試されているような気がしたけど。 俺は国語準備室という名の書庫の扉を開けた。 「来たな」 「………」 …やっぱり行かなきゃ良かったと思うハメになる、その狭い空間に。
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