第1章

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テストを持って席に戻ると、ダチの友樹(ともき)がニヤニヤ見ていた。 「ご愁傷様。っていうか自業自得だけどな、優(まさる)」 「うるへー」 友樹の後ろの席に浅く座って、夏井に抗議の意味を示すようにだらしなく身体をのけぞる。 態度の悪い俺をとがめるように、夏井の片眉が上がった。 授業を進めたいのか、何も言われなかったけど。 俺のイライラは小刻みに動く足の揺れに現れていた。
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