第3章

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せっかくの金曜日なのに、全然気乗りしない。 しぶしぶ登校してすぐ、廊下の先で相変わらず女子生徒に囲まれている嫌味なほど長身の姿を見つけてしまう。 心臓潰されそうになって、呼吸を一瞬忘れた。 あいつ、また涼しい顔で笑ってる。 やっぱり、俺のことなんて忘れているような顔で。 「あれ、優じゃんー! おはよー」 そう思っていたら、夏井の傍にいたサキが俺に気がついた。 「ゲ」 夏井がしれっと「おはよう」と声を掛けてきた。 ぐっと睨むと、ニヤリと笑いやがる。 ……こっちばっかり気にしてるようで、腹が立つ。
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