第3章

33/42
前へ
/358ページ
次へ
「スッキリしたか?」 「…おかげさまで」 「お。開き直った。さっきまであんなに可愛いかったのに。どんな顔して出てくるか楽しみにしてたんだぞ」 「可愛いって言うな! そして二度と俺にあんなことをするな!!」 ビシっと指をさして、下から睨む。 夏井はそんな俺に一瞬驚いたような顔をして、また次の瞬間には面白そうに笑って、こう言い切った。 「約束はできないな」 「んな…っ」 絶句する俺。 そのままになっていた手を捕まれて、また引きずられる。 「……もう帰して…」 のれんに腕押しって言葉、確かあったよね? そんな気分で俺もう抵抗する気力残ってない…。 「あぁ。さすがに送っていくよ」 「車で変なことしたらハンドル切るからな…」 「おっかねー」 笑うんじゃねぇ…。 俺は泣きたいよ……。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3377人が本棚に入れています
本棚に追加