第3章

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車に乗った瞬間、ほらよ、と小さな紙袋を手渡された。 ふたりっきりの空間になったら、さっきのことをどう話そうか悩みに悩んでいた俺だったけど、中身を確認して一気に吹き飛んだ。 「…スマホ!!」 「授業中は禁止なんだから、あんまり出すなよ」 「授業中は出してねぇだろ」 「補講も立派な授業中」 「うるせー…。あれ、電源入ってる」 流石に使ってなくても2日以上放置してたら電池なんてとっくに切れてると思ってたら、入ってる。 通知は…まぁほぼメーリングリストとか迷惑メール系ばっか。 たまに友樹からどうでもいいLINEが入ってたくらいだ。 まったく、この間に家族に重大事故とかあったらどうすんだっつーの! 「俺のと一緒だったから、一応充電はしておいた」 「……中、見てねぇよな」 「アホ。パスワードかかってんだろが」 「あ、そっか」 とりあえずは一安心だ。
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