第3章

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今日の目的はコレだったはずなのに、ずいぶんと長くかかったな…。 変な一日だったぜ…。 気が抜けて、さっきのことを問いただして攻めたかった気持ちがすっかり萎えた。 「…ん?」 よく見ると、紙袋の中にはスマホ以外にも何かが入っている。 「本?」 「それ、映画の前に買っておいた。元々はお前に本を買おうと思ってたんだ。読解力つけるためにな」 そういや元々映画じゃなくて本屋の予定だったっけ。 「結末見られなかったから、さっきの映画の原作本。あとお前が興味持てそうなもん見繕っておいた」 2冊の文庫本のうち、確かに1冊はさっきの映画と同じタイトルだった。 「…コレ、映画始まる前の時間で?」 流石に俺でもわかるんですけど。 それって…。 その段階からあの映画最後まで見られないこと前提だったってことじゃ……ねーの? 最初から俺にちょっかい出す気だったんですかね…? フツフツと怒りが沸いてくる。 「ありがとうだなんて言うと思うなよ!!」
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