第3章

37/42
前へ
/358ページ
次へ
夏井の透明な目が俺を捕らえて、見つめた。 呼吸がし辛い。 思わず目を逸らした。 「な、何がだよ」 理由は知りたい。 ……でも、知っちゃいけないような…そんな気もよぎる。 車が発進し、夏井の目は前を向いた。 「……教えてやんねーよ」 「て…てめぇ教師だろ! 教えるのが仕事だろっ」 「簡単に答えを教えちゃあ生徒のためにならねぇだろーが」 「そういう問題か!」 「お前は答えの見える理系問題とばっかり向き合ってないで、もうちょっと読解力と想像力を養えよ」 「うるせーよ!」 「きっかけを掴めば、全てが繋がって理解ができる。そういうもんだ」 …テストのことか? ……何のことだよ?
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3374人が本棚に入れています
本棚に追加