第3章

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俺も部屋に戻って、ベッドにダイブした。 疲れた……。 ダイブした時に零れ落ちた文庫本。 映画を宣伝した帯が、シンプルな表紙を目立たせている。 ジーッと眺めて、なんとなく手にとる。 なんとなくページを捲って、なんとなく体勢を整えて、なんとなく読み進める。 ……面白いな。 映画はたまに見るけど、その原作を読んだのは初めてだ。 文章が情景としてスクリーン画面が蘇ってくる。 映画だけでは描ききれない細かい話も入ってきて、新しいことを知れるし。 内容だけじゃなく、その感覚も面白いと思った。 「…ぃ、おい!」 「へ!?」 気がつけば、兄貴に頭を叩かれていた。 「メシだっつってんだろ! 何度も呼んでるのに…」 「あ? あー…ごめんごめん。気付かなかった……」
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