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それから食後も俺は本を読み進めた。
映画のシーンを思い出しながらなので、俺にしては早く理解が進む。
後半に向かって畳み掛けるようなスピード感のある謎解きは、途中でトイレに行って中断するのももったいないと思うくらいだ。
そして…深夜に差し掛かった頃…。
この辺から、記憶にない。
……夏井にちょっかい出されて、映画を見てられなかったせい。
あいつへの怒りもついでに蘇ってくる。
いや、怒りともちょっと違う……?
とにかく恥ずかしくてたまらなかった。
こんな場所で、なんてことすんだって。
本当なら、あいつを教育委員会に訴えたっていいはずなのに。
思いっきり反応しちゃってるから、面と向かって訴えられるような立場がない気がするし……。
だって……キスの時だって、今日の時だって……気持ち悪くはなくて。
拒絶しきれなかったような…。
なんか、そんな。
嫌いなヤツなのに。
「あーもう!!」
なんだか体の芯の感覚まで蘇ってくる気がした。
でも、もう、それはダメだろ……。
本に集中できなくなって、俺はまた火照始める身体を無視するように不貞寝を決め込んだ。
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