第4章

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眠い目を擦りながら登校する月曜日。 「ふぁああ~」 「よう! 月曜からまた目に隈つくってんなお前。ゲームか?」 欠伸をしていると、後ろから友樹が飛びつくように挨拶してきた。 「いや読書」 「は!? お前が読書とか、どういう風の吹き回しだよ」 友樹が驚いて振り返る。 「……あ!!」 そして突然思い出したかのように叫ぶから、寝不足の頭に響いて俺は顔をしかめた。 「その本、もしかして夏井だろっ」 バシッと言い当てられ、突然のことに内心汗をかく。 「……なんで」 つとめて平静を装ったけど。 「土曜日、俺見たんだよ。あそこのでかいショッピングモール! お前が夏井に手引かれてて、すげぇスピードで歩いて行ったから声かけらんなかったんだけど。びっくりしたんだから」 「………ッ」
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