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「ちがっ...!!くすぐったいだけです」慌てて否定しつつなるべく離れるように身体を動かしていると。
「なぁ、なんで逃げんの...お前俺のこと嫌い?」肩に顎をのせて少し寂しそうに俺に聞いてくる。
「ひゃ、別に、逃げてなんかっ、それに章さんのこと嫌いじゃないですよ、俺っ...」
「...じゃあ、今度の定休日俺に付き合ってよ」
肩に顎をのせたまま耳元で言葉を吹き込まれる。
たまらず俺は「っ!わかりました!行きますからっ!!だから早くそこどいてください!!」
ビクビクしつつ早くそこからどいてもらいたい一心でそう言えば、ククッと耳元で章さんが笑った声がして...。
低く掠れた声で「よくできました...」、そう言って耳朶を噛まれ言葉を吹き込まれた。
「ひぁっ!!だっめっ...」俺はそれだけで腰が抜けてしまった。
「っと、大丈夫か?山神、お前本当にここが弱いんだな...」
ニヤニヤしながら噛んだ場所を指が擽りながら腰の抜けた俺を危なげなく支えている。
少し悔しいと思いながらそのまま章さんの顔を見上げ睨む。目があった瞬間章さんの目付きが変わっているのがわかってしまった。
捕食者の眼だ。そう思った瞬間。
「山神、お前」
「なっ、なんすか...//」
章さんの目付きにびくつきつつその眼差しを受け止める。
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