第1話 贈りたいもの......

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夏の暑い季節 俺が働いてるバーには多くはないがそれなりにお客が入っている。 カップルで談笑するもの、一人でゆっくりグラスを傾けるもの、様々な人が思い思いの『時間』を楽しむための場『heure(ウール)』 このバーには俺の他にマスターが一人とバーテンダーが一人いる。 因みに俺はシェフ、みたいなやつ ここは軽い食事も出すところなのでそれを作っている。 マスターは顔が強面のため最初は怖がられるが、基本的に穏やかで優しい人なので、すぐにお客の方もそれに気づき気軽に声をかけていく。 そして最後の従業員、バーテンダーで章(あきら)って言う男。 こいつ、俺より年上で顔もカッコいいんだが、なんか食えない性格してるんだよなぁ~。 女性からそれっぽいアプローチかけられてもそれとなく気づかないふりして断っているし。 まぁ俺には関係ないが。 そんなふうにバーでいつもどおり仕事して、店で食べる賄いを作っていると、仕事が終わって片付けをしていた章さんが厨房にはいってきた。 「どうしたんですか?章さん?珍しいですねこっちに入ってくるなんて、なんかあったんですか?」
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