エクスキューショナー強襲

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「やっぱり受け取れません!私だけこんな都合良く…!」 「んじゃあ、罪人を処罰した報酬とでも思っとけば?」 「残りの分は君の親友に渡しておくよ」 「ホントに…いいんですか…?」 袋を握りしめながら呟き涙を流した瞬間、女の子の後ろからナニカが現れた。 俺は咄嗟に女の子の腕を掴んで引き寄せる。 「あう…!」 「…掠っただけか…」 お前が邪魔をしなければ心臓を貫くはずだったのに、と俺を睨む。 「チッ…ヴァンパイアか」 「!?どこから!」 「その娘を渡せ、裏切り者は生かしておけぬ」 「はっはっは、ロードとキングに聞かれたら怒られそうなセリフだな」 「あの御方達は優し過ぎる…いや、温いとでも言うべきか」 だから私が正さねば。と言うとヴァンパイアの爪が鋭く伸びる。 「この爪の先は銀で出来ている…いくら同族に回復能力があるとは言え食らえばタダではすまん」 「マキナ、この子を連れてリザリーと逃げろ」 「分かったよ~」 マキナは女の子を抱えると屋根の上までジャンプしてリザリーと共にこの場を離れた。
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