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『一目あったその日から恋に花咲く時もある』
それは突然のことで、まるで電気ショックを受けたかのような衝撃だった。
「真琴ー!どこ行くんだよ……て、トイレか?」
俺の目の前を通過する長い黒髪の美女を視線で追いかけていると、誰かがその人に声をかけてる。
その美女は軽く後ろを振り返るとコクンと頷き小走りに人混みの中に消えていった。
(なに!今の人!めっちゃ綺麗!)
振り返った時の眼差しが頭に張り付いて離れない。
面長の顔に切れ長のスーッと流した眼差しは氷の女王みたくクールなのに、その瞳はキラキラと光るものがあった。
化粧をしていてもあの肌の白さは肌質のきめ細やかさが想像できる。
赤い口紅をつけていたけど唇が薄いのか、全然毒々しくなくて。
エメラルドグリーンのロングドレスに身を包んだその姿は、まるで『白雪姫』か『シンデレラ』か『どっかの国のお姫様』のようで。
ここが大学校内で人がごった返している場所であったにもかかわらず、その出で立ちの彼女は混雑の中を悠々と渡り歩いていた。
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