第1章

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それから俺とハルちゃんはさっきの人が真琴さんに「トイレか?」と尋ねていたから、近場の女子トイレの付近にいないかウロウロして探してみた。 けど結局真琴さんとは会えなかった。 「しょうがないよ、これも『運命』が違ったと諦めるしかないんじゃねぇの? ──と、取り敢えず棗、講堂行こう!講堂! ライブ始まっちまう!」 「あー…うん……」 正直、ハルちゃんの誘ってくれたライブには興味が無かったけど、ハルちゃんは真琴さん探しに付き合ってくれたし俺は捜索を諦めてライブに付き合うことにした。 *** 講堂に行くと全身黒い人達ばかり集まっている。 よく見れば顔の化粧も皆濃いくて、なんだか異常な雰囲気に俺は恐れおののいて。 「ハルちゃん、ライブって誰がくんの?」 「言ったじゃん!『パンプキン・ロック』がくるって!」 「パンプキン…カボチャ…て、誰だっけ?」 「棗~。俺が貸した『遥人編集:ライブラリー』聴いてねぇな?!」 「あー!アレか!ごめん。まともに聴いてないや。」 「棗のアホー!」 入口のとこでハルちゃんにヘッドロックをされながら話をしていたら講堂からスタッフが出てきて、外で待っていたファンを中に誘導し始めた。 「ホントなら曲とか予習してたらもっとライブを楽しめると思うんだけど仕方ないから行こう、棗。」 俺はハルちゃんに誘われ黒ずくめ集団に混ざって講堂の中に移動した。
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