2.興味

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「桜庭ってあの若い…?」 あつあつのトーストを片手に、カイは正面に座る檜に目を向けた。 「そ。俺んとこの担任で、ちなみに英語教師」 グラスへと牛乳を注ぎニヤリと笑う。 一瞬の間を置き、カイはなるほどと相槌を打った。 テレビから届く天気予報をBGMに、トーストと目玉焼きをペロリと平らげる。 玄関からは仕事へ向かう父を送り出す、母の声が聞こえる。 秋月家の朝の風景だ。 ‘今日の花粉情報’を告げるお天気キャスターを見て檜は言った。 「先生はあんなお姉さんよりよっぽど可愛い。そう思わないか…?」 檜の問い掛けにカイはテレビを見る。 「…。その先生がヒノキのマイブームなのは分かったけどさ」 「なんだよ?」 「水城奈々はどうするつもり?」 「ナナか…」 「ヒノキはてっきり好きなんだと思ってた」 カイから視線を外し、檜はグラスについだ牛乳を飲み干した。 「好きだよ? …けどナナはモテるし。あいつばっかに構ってらんない」 「要は面倒くさくなっただけだろ?」 「ご名答」 陽気に指差す檜を見て、やれやれとカイが肩をすくめる。 「どうせ水城奈々のポストにその先生を充てるつもりだろ?」
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