2.興味

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届いたメールを確認する彼女を、少し離れた所から見守る。 幸子は携帯を開け、少し考えた素振りを見せると、キョロキョロと辺りを見回した。 「ここで告白されんの、何人目?」 歩を進め、幸子へと近付く。 メールに書いたものと同じ質問をした。 今度は日本語で。 それに反応して彼女は、あ、と小さく呟く。 「秋月くん…。見てたの?」 「まぁね?」 「…」 幸子は楽しそうに笑う檜を見て、困った様に眉を下げた。 「随分無難に返事してたけど。言ってやりゃあ良かったのに」 「何を…?」 「‘彼氏いる’って」 ひとつ小さく嘆息すると、幸子は彼から目を逸らし、そうね、と静かに言った。 (ん…?) 適当な相槌に檜は首を傾げた。 「…あ」 「…?」 「そう言えば秋月くん、帰国子女ってどこに住んでたの??」 「え、今さら…?」 唐突な質問に思わず吹き出してしまう。 その反応に、幸子は疑問符を浮かべ、 「授業中そんな事訊けないでしょ?」 と真顔で言う。 「先生ってばマっジメ~!!」 「あのねぇ…」 「ロンドン」 「え?」 「イギリスのロンドンだよ。11までいた」 言いながら懐かしそうに微笑む。 「じゃあ…。もしかして※バイリンガル…って事?」 「そっ!」 ************** ※バイリンガル 2か国語を母語として自在に使えること・人。
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