2.興味

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希少価値な物を見る様に、幸子は目を丸くした。 そして口元を緩める。 「…いいなぁ」 「え?」 「あたしも秋月くんみたいに英語ペラペラだったらなって思う。発音下手っぴなの」 肩をすくめ、幸子は恥ずかしそうに顔をほころばせる。 その笑顔は檜の目を釘付にした。 (こんな風に笑うんだ…初めて見たかも) 幸子を見つめ真顔になる。 何か言いたげな表情を浮かべる檜に、彼女は首を傾げた。 「…先生って笑うとえくぼ出来るんだ?」 「え、あ…」 やだ、と呟き、幸子は赤く染まった頬を押さえた。 どうやら気にしている様だ。 檜は幸子を見つめ直した。 笑うと小さく出来るえくぼも含め、その仕草を見て改めて可愛いなと思う。 8つも歳が離れてるなんて嘘みたいだ。 授業中こそ先生らしく見えるが、プライベートで話してみると、その口調はおっとりしていて女らしい。 先生を可愛い、と。 思った事を素直に述べようとしたその時。 ポケットに入れた携帯がヴー…と振動し始めた。 「あ…秋月くん、携帯」 赤面した事を取り繕う様に幸子が言う。 「え…、ああ」 ポケットに手を入れ携帯を取り出すと、サブディスプレイにはカイの名前があった。
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