3.物欲

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「檜ィ、何でサッチャン先生と買い物してんだよ?」 「もしかして今日2人で会ってた、とか…?」 大西と丸橋が茶化す様に、二人の顔を見やる。 すると「まさか!」と幸子が笑った。 「秋月くんとはここでバッタリ会ったのよ? …ね、秋月くん?」 「あ…ああ」 檜は舌打ちしたい気分になった。 (何なんだよ…、せっかく先生と二人で喋ってたのに) 目線を地に落とし、つい不機嫌な態度をとってしまう。 「あなた達、今日は部活か何か?」 三人それぞれ制服姿なのを見て、幸子が問い掛けた。 手に持った生理用品をどうしようかとまごつかせている。 「そうそう。俺ら今日はバスケの練習試合だったから」 「へぇ~、そうなのね…。 あ! あたし晩御飯の支度があるからそろそろ買い物して帰るわね?」 腕時計に目を落とし、幸子がレジを見た。 (え! もう帰んの??) 思わず落胆してしまう。 「うん、サッチャン先生、また月曜日なー」 レジに向かう幸子に内田が呼びかけた。 (う~わ、行っちゃったよ) 「檜、それ…練習の帰りか?」 「あ、ああ。そうそう」 肩に掛けたギターケースを指差し大西が言う。 「どう? 最近順調か?」 「うーん、どうかな? これだと出したい音が上手く出なくてさ…。 新しいエレキ買うか考え中」
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