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「檜ィ、何でサッチャン先生と買い物してんだよ?」
「もしかして今日2人で会ってた、とか…?」
大西と丸橋が茶化す様に、二人の顔を見やる。
すると「まさか!」と幸子が笑った。
「秋月くんとはここでバッタリ会ったのよ? …ね、秋月くん?」
「あ…ああ」
檜は舌打ちしたい気分になった。
(何なんだよ…、せっかく先生と二人で喋ってたのに)
目線を地に落とし、つい不機嫌な態度をとってしまう。
「あなた達、今日は部活か何か?」
三人それぞれ制服姿なのを見て、幸子が問い掛けた。
手に持った生理用品をどうしようかとまごつかせている。
「そうそう。俺ら今日はバスケの練習試合だったから」
「へぇ~、そうなのね…。
あ! あたし晩御飯の支度があるからそろそろ買い物して帰るわね?」
腕時計に目を落とし、幸子がレジを見た。
(え! もう帰んの??)
思わず落胆してしまう。
「うん、サッチャン先生、また月曜日なー」
レジに向かう幸子に内田が呼びかけた。
(う~わ、行っちゃったよ)
「檜、それ…練習の帰りか?」
「あ、ああ。そうそう」
肩に掛けたギターケースを指差し大西が言う。
「どう? 最近順調か?」
「うーん、どうかな? これだと出したい音が上手く出なくてさ…。
新しいエレキ買うか考え中」
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