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街を歩きながら、携帯ショップを探した。
本当はどこに捨ててもかまわなかったけれど、思い直してきちんと解約することにした。
これから私は、私の存在を証明するものをひとつずつ消していく。
まるで儀式のように。
真人さんに他人だと言われたときは悔しかったけれど、今はこれで良かったと思えた。かえって、スッキリした。踏ん切りがついた。
店に入ると若い女性スタッフが、笑顔で椅子をすすめてくれた。
解約したいと伝えても表情をかえないのは、マニュアル通りなのだろうか。
あの日から、電源は一度も入れていなかったけれど、充電は無くなっていた。
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