scene 25

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タクマが大きな鞄の中から取り出したのは、熊のぬいぐるみだった。 「俺からの出産祝いだ」 そう言って、優人の隣に熊を寝かせた。 「オマエが買ってきたのか?」 「そうだよ」 こんなぬいぐるみを抱えて店内を歩くタクマの姿を想像して、思わず笑ってしまう。 タクマが頬に触れると、優人が目を覚ました。 小さな口を開けて欠伸をする。 「なあ、抱っこしてもいい?」 「仕方ないな」 俺は優人を抱き上げてタクマに渡した。 優人は、愛くるしい目でタクマの顔をじっと見つめている。 タクマの差し出した人差し指を、優人は小さな手で握った。 「こいつ、俺のこと気に入ったな」 「こいつじゃなくて、優人です」と瑞乃が言う。 「誰が考えたんだ?」 「瑞乃と一緒に決めた」 「お前たち見てると、俺もまた結婚したくなってきたな」
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