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俺は膝を立て、ソファに深く座った。
そうして、膝の間に瑞乃を座らせる。
後ろから抱きしめるようにして、瑞乃の腕の中の優人を覗き込む。
その頬に、人差し指で触れた。
「今、笑ったよな」
「うん、笑った」
「ほら、早く撮れよ」
「おお、わかった。わかった」
タクマが慌ててシャッターを切る。
もっとこっちから撮れよとか、もっと上から構えろよと言いたかったけれど、タクマに任せることにした。
「なんかカメラって面白いな。絞りとかシャッタースピードとか、よくわかんないけどよ」
「どうせオートで撮ってるんだろ。ピントだけは合わせろよ」
「心配するなって」
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