scene 25

9/11
1041人が本棚に入れています
本棚に追加
/512ページ
俺は膝を立て、ソファに深く座った。 そうして、膝の間に瑞乃を座らせる。 後ろから抱きしめるようにして、瑞乃の腕の中の優人を覗き込む。 その頬に、人差し指で触れた。 「今、笑ったよな」 「うん、笑った」 「ほら、早く撮れよ」 「おお、わかった。わかった」 タクマが慌ててシャッターを切る。 もっとこっちから撮れよとか、もっと上から構えろよと言いたかったけれど、タクマに任せることにした。 「なんかカメラって面白いな。絞りとかシャッタースピードとか、よくわかんないけどよ」 「どうせオートで撮ってるんだろ。ピントだけは合わせろよ」 「心配するなって」
/512ページ

最初のコメントを投稿しよう!