平穏をください

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誰もいない屋上で寝転びながら、好きなミュージシャンの歌を聴くのが好きだ。 ほんのひと時の安らぎともいえる。 あぁ、こんな穏やかな時間が一生続けばいいのにな……。 しかし、そんなささやかな俺の安らぎを、あいつはやすやすと与えてはくれなかった。 ピーンポーンパーンポーン 『あ、あ…。え~、1-E組の篠田裕介(しのだ ゆうすけ)今すぐ生徒会室に来る様に。繰り返す。1-E一番窓際の一番後ろの席に座る出席番号35番の篠田裕介、今すぐ生徒会室に来る様に』 ピンポンパンポーン 「…………」 あいつが俺を呼ぶのは大抵ロクでも無い時だ。(おまけにちゃっかりと逃げ場を抑えて) しかし、行かなかったら行かなかったで後々面倒な事があると身を持って体験してるので、音楽を止め、俺は嫌々ながらも生徒会室に向かう事にした。
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