5455人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、早く練習始めようぜ、俺この後用事あんだわ。」
そう言ったのは、もう1人のリレーメンバーの山中くんだ。
そうやって、リレーの練習が始まった。
何日か練習して、リレーメンバーの空気はより悪くなっていた。
用事があると言って、すぐに帰る山中くんとじゃあ、俺もごめんねーと理由なく帰る俺。
まあ、本当は病気のことで椎名先生にも無理しちゃダメって言われてるから帰るんだけど、爽やかくんと1匹狼君からしたら理由なくサボってるように見えるんだろう。
山中くんは、良くも悪くも周りに興味ない無気力くんなイメージだからな…。きっとこれ以上はやること最低限やったと思ったら即帰ってるんだろうなって感じだ。生徒会の報酬にも興味ないんだろうしね。
まあ、こんな感じで協調性皆無な状態であって。
その上、第一回の練習試合ではバトンを落として失格。
確かにイライラする状況だよね。
でもさ、こうなるとは思ってなかった。
俺の目の前には1匹狼君がいる。しかも俺の襟を掴み上げてメンチ切っていらっしゃる。
「お前、なんでいっつもはやく帰んだよ。お前のその、何にも本気になりませんっていう気取った態度がいけ好かねえ!!」
そうだね。はたから見たらそうだよな…。
「仲馬(ナカマ)は勝つためにお前がリレーに出ること許容してるみてえだけどな、俺はぜってえ認めねえから!!やる気ねえなら、辞退しろよ、カスッ!」
そう叫ぶ狼くんは険しい顔で俺を睨む。
そうだね。俺が辞退すれば済む話かもしれない。空気をギスギスさせてるのは主に俺の責任で。でも、俺も出たいんだよね、もしかすると最後の体育祭かもしれないからさ。そんなこと、言っても信じてもらえないんだろうけど。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
仲馬は爽やかくんの名前です。
爽やかくんは
仲馬 春樹(ナカマ ハルキ)
茶髪茶目でサッカー部です。
最初のコメントを投稿しよう!