体育祭

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あとは、淡々と午前の授業が過ぎていった。 チャイムが鳴る。みんなが一斉に立ち上がる。お昼休みだ。 食欲がない俺はそのまま席に座ったまま机に突っ伏して寝ようとした。 「おい・・・。おいっ!っ無視すんじゃねえよ、会計!」 突然怒鳴られる。何事!? ばっと顔を声の方向に向けると、そこには狼くんが立っていた。 「え??狼くん?・・・どおしたの、めずらしぃねー。あ、あともう俺が会計じゃないってことは知ってるでしょ?だから、会計って呼ぶのはやめてほしーな。」 狼くんなんて予想だにしない人が立ってたから気が動転した。危ない危ない。 チャラ男の口調が崩れそうになった。っていうか、まだ狼くんの中で俺は会計なのねって苦笑したくなる。 俺の会計って立場を奪ったのは他でもない狼くんの想い人なのに、さ。 「あ゛?ああ。そうか。じゃあなんて呼べばいいんだ。」 「えー、狼くんのお好きでどうぞ?」 だからさ、ちょっと意地悪してもいいよね。きっと俺の名前さえ知らない狼くんは困るだろう「佐久良」・・・え? 「あ?だから、佐久良って呼ぶっていってんだろ?あと、俺のことも狼くんって呼ぶのやめろ。」 ちゃんと、名前は知ってくれてたんだ・・・。知らないと思ってたんだけどなぁ。そっか・・・。そっかぁ。 狼くんは俺に1ミリも興味も関心もないと思ってた。でも、ちょっとは気にかけてくれてるってことかな。 なんか、嬉しいし、ちょっと悲しい。 もっと前から知り合えてたらな。それこそ、自分の名前を余命を知る前に。 「あれ?って俺、狼くんって呼んでた?ごめんねー。じゃあ、史狼くん?」 「史狼って呼ぶな!!」 「じゃあ、シロだねー。しろうの上二つをとってシロ!!いいじゃーん。名案でしょこれは〜。」 「はぁああ?よくねえ!!」 「まあまあ、怒んないでよ、シロ。で、何の用だったのー?」 クソっと呟きながらこちらを苦々しげに見るシロは、ちょっと面白かった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 狼くんの名前は竹田 史狼(タケダ シロウ)です。あだ名はシロで決定しました。これ以降、主人公視点の時はシロって書きます。 ちなみに、狼くんは史狼という名前をちょっとダサいと思ってます。全国のしろうさんに謝罪します。でも、どうしても主人公にシロと呼ばせたかったのでこういう裏設定になりました。
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