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午前中の種目が恙無く終わった。
午後には、シロと委員長が騎馬戦に出るんだって。楽しみだなぁ。
まあ、今はとりあえずお昼休憩だけど、ちょっと食欲ないし、さっき体調崩しかけたから、しいちゃんのとこ行こう。
ふらふらーっと保健室にいこうとしたら、いつの間にか生徒会メンバーに囲まれてた。
...何故に?
体育館裏に連れてかれる...ベタか。
「これ以上杏樹に嫌がらせしないでくれます?」
不機嫌そうにメガネを押し上げながらいう副会長。
「そうだそうだ!僕らが杏樹に取られたからって男の嫉妬っていうの?醜いよねーー!」
「ていうか、僕ら元会計さんが仲間だと思ったことないけどねー」
ねー、と顔を見合わせながらにやーっとしてこちらをみる双子。
「杏樹...いじめ...めっ!おれ...おま、きらい!!」
ムッとした表情で睨んでくる書記
そして...
...っ!?
突然胸倉を捕まれ、壁に押し付けられる。
「お前な、これ以上杏樹に手出して、俺らの気を引こうとするな。お前はもう風紀のヤツに構ってもらえよ。お前は、もう、生徒会には要らねぇんだよ」
そう言って静かに睨む会長。
要らない、要らないねぇ...。正直、直接拒絶されるのがこんなに辛いとは思わなかった。でもそうだよね。俺がいなくなることで機能する生徒会。本当に俺は害でしか無かったんだ...。そう、思われてたんだ。
生徒会が楽しい思い出だったのも俺だけだったのかな。
こんなことなら、生徒会が楽しい思い出である時にもう死にたかった…。
しかも、風紀に頼れってか…?
はっ、笑える。俺は風紀にも疑われてるのに?
風紀だって俺の味方じゃないよ。
むしろ、敵だ。
証拠不十分でお咎めはなかったし、委員長だって俺を心配はしてくれてるけどさ。
どこか探ってる部分もまだあるってことにも俺は気付いてる。
ご褒美の件だって、きっと、親しくなって色々俺から聞き出せないか、なんて考えてるんじゃないのかな。
だからさ、俺に、仲間はいないんだよ。
「そうだそうだ!杏樹をいじめるヤツなんか、死んじゃえ!!」
「「死んじゃえー」」
双子はただただ俺に死ねという。
きっと双子はそんなに重い意味を込めて言ったのでは無いことは分かってる。分かってはいるけど...。
その言葉は今の俺にとって残酷過ぎた。
だからかな、つい口を滑らした。
「安心しなよ、俺、もうすぐ死ぬから。」
零れ出た言葉は2度となかった事には出来ないんだ。
ああ、胸がズキズキと痛む。
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