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なんで俺、生まれたんだろうなぁ。
なんて感傷的な感じに呟いても見るけど当然答えなんて返ってこないわけで。
多分、俺があとちょっとで死ぬのもさ、きっとみんなからいらないと思われてるからなんだな。
そりゃ、みんなから好かれてるやつが死んじゃうより、みんなから嫌われてる俺が死んだほうが、ね。
俺が死んだ方がみんな幸せだね。
ぼーっとしながらそんなことを考えてる俺に突然声がかかった。
「ねえ、ちょっと来てもらえる?」
その声に振り向いてみるとあまり見たことのない生徒がいた。
小柄でツヤツヤな黒髪を女の子のショートカットみたいな髪型にしてる可愛い男子生徒がいた。
一瞬、生徒会の親衛隊の誰かかと思ったけど、こんな子親衛隊にはいなかった気がする。いたら目を惹く容姿をしてるし・・・。
「きみ誰だっけ?」
普通に疑問に思ったことを口にする。そしたら、
「風紀委員長が呼んでたから。ちょっと来てよ。」
なんて俺の質問には一切答えないでちょっと来てと繰り返す。その腕に風紀委員の腕章が付いているのに気がついた。
ああ、風紀委員の子か、風紀委員とはそんなに関わりなかったからなあ。
なんて思いながらその子についていくことにした。
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