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暴力的な表現があります。
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その子についっていった先は部活棟だった。
今は体育祭でみんなグラウンドにいるから人気がなく静かだ。
本当にこんなところに委員長がいるのだろうか、と疑問に思いながらもズンズンと進んでいく風紀委員の子についていく。
階段を登って2階のとある部室に入っていく。
待っていたのは空の部室だった。
「え?委員長いなくない?」
疑問を口にした瞬間、風紀委員の子がパンパンと手を叩く。
すると、ガラの悪そうな生徒たちが数人入ってきた。
え?と思っているうちにそいつらに取り押さえられる。
「なにこれっ!?どういうこと??」
突然うつ伏せに捕らえられた身体で必死に風紀委員の子を見上げた。
「わからないんですか?僕は、あなたを許さない。」
「許さないって一体なんの・・・」
「お前のせいで、神無月様はビッチに溺れる無能なやつ呼ばわりをされているんだ!!お前さえいなければこんなことにはならなかった!!」
そう叫びながら俺に近付いて俺の髪の毛を思いっきり上に引っ張り上げる。
俺の視界いっぱいに俺を憎々しげに睨め付ける顔が映る。
ああ、この表情は、俺の生きた人生の中で何回も向けられてきた顔だ。
この顔をしてる人はみんな、俺に死んで欲しいと思ってる人だ。
また俺は、誰かにひどく憎まれたのか。
なんで、いつも、こうなっちゃうんだろうな。
「神無月様は何も悪くないのに!!お前が誑かしたせいで神無月様は大変な思いをなさってる!!」
ああ、俺のせいでやっぱり委員長は悪く言われてるのか。そっか。委員長にも迷惑かけちゃってるんだね。そっかぁ。
「もう二度と神無月様に近づかないで!!」
ここで頷けばここから解放されるかもしれない。
そう思って同意の言葉を言おうと思うけど。
そのセリフになぜか嫌だな、と思って言葉に詰まった。
「聞いてるの!?頷かないんだね。それがお前の選択か。まあいいや。うなづきたくさせてあげるよ。こいつをめちゃくちゃにしてやって。」
そういって外に出ていく風紀委員の子。
部屋に残ったのは凶暴な雰囲気を増したガラの悪い生徒たち。
「ヒャッハ。マジでこんな上物をやっちゃっていいのか〜」
「ビッチなんだってよ、むしろ喜んでくれるってよお」
「あいつもいい獲物連れてきてくれんじゃん」
そんな周囲の会話が聞こえてきて身体が強張る。
こいつら、ただの暴力が目的じゃないのか!?
今までほぼ無抵抗だった身体を思いっきりよじって逃げようとする。
「暴れんじゃねえよっ」
どかっと誰かに腹を蹴られる。
その瞬間、身体が硬直した。
「ごめんなさい、ごめんなさい、もうしないで。」
わけもなく言葉が飛び出る。
「うっは、そういうの燃えるぅ、さすがビッチ男のツボわかってんな」
そこからは、地獄の時間だった。
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