どん底

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目が覚めると知らない天井だった。 「あれ?」 「起きたか。」 すぐそばで最近聴き慣れた委員長の声がした。 委員長がこちらに近づいて椅子に座る。 「どーして、いいんちょーが…?」 「ここが俺の部屋だからだ。こんなすぐで悪いが、お前昨日何があったか話せるか?」 委員長が真剣に、でも気遣わしげに俺を見ている。 「き、のう…?」 昨日、昨日は体育祭だったはずだ。それで、腹黒くんと一緒に走ったり、一生懸命に練習したリレーもやって…。 リレー?そいえばリレーの結果ってどうなったんだっけ?全体の結果は? 「昨日は体育祭があったよね…?」 このことだと思って委員長に尋ねるのに、委員長は首を振る。 「いや、そのことじゃなくて、お前の…」 それ以降、委員長は口を閉ざしてしまった。 それにしてもなんだろう。なぜか委員長がとても怖か感じてしまう。まるで、委員長が自分を害する存在だと認識してるように。 その違和感を拭うようにさっきから疑問に思ってることを委員長に質問する。 「委員長、昨日のリレーの結果はどうなったんだっけ?」 「?お前、出てたんじゃないのか…?」 「なんか、記憶にないんだよねー。せっかく頑張って練習したのに本番の結果覚えてないってどんだけ記憶力ないのって感じだよねー。」 「覚えて、ない?」 「うん、そー。昨日の昼休みからの記憶がすっぽりなくてー。なんでだろ?もったいないことしてるよねー。せっかくの体育祭なのに。」 「そ、うか。」 そして、委員長は何かを考え込んでしまう。 そして、ふと委員長が立ち上がった。 その瞬間に、ゾワっと悪寒が背中を走る。 怖い、逃げなきゃ、助けて。。。 突然、体も震え出す。 え、なにこれ?なにごと?? 俺の心身、どうしちゃったの? なんでこんなに委員長が怖いんだ…? 俺の異変に気づいた委員長も慌てて声をかけてくる。 「おい、大丈夫か?」 こちらに手を伸ばしてくる。 でも俺は、その手が怖くて怖くて…。 バシッ 静かな部屋に、俺が委員長の手を叩いた音が響く。 「あ…」 委員長は、叩かれると思ってなかったのか呆然としている。 「ご、ごめん。びっくりしちゃって。もう大丈夫だから、おれ部屋に帰るね。」 そういっておれは慌てて委員長の部屋を出た。
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