第1章 新人はタイヘンです

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「先輩より遅く来るなんて、私だからいいけど主任だったら大変なことになってるよ」 主任よりあなたの方が厄介です。 『私だからいいけど』 というのは、逆を言えば、 『私が最もそういうのを許せない』 に、つながる場合がある。 「ねぇ、小泉、何そのアイライン、もっと綺麗に描きなさいよ。あんたもプロの端くれなんだから」 きっと今日のメイクについて怒られると思っていたから何度もやり直していてギリギリになってしまったのに、やっぱり怒られてしまった。 「も、申し訳ございません」 「もういいから、早く仕事して」 プイッと横を向き昨日の売り上げノートを手にした綾瀬先輩に、また頭を下げ、仕事に取り掛かった。
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