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「彼女さんと来たことあるの?」
ムッとしたような表情が可愛く、彼は環を抱きすくめる。
「その口、可愛いな。妬いてんの?」
「ん…。妬いてない。
ただ他の女と来たとこに連れてくるのはデリカシーないよ?」
それを聞いて龍二はなお愛おしさを感じる。
龍二がその可愛らしさに笑うと、環はさらにムッとする。
その唇を食べるように口づけすると、真っ直ぐに彼女を見つめた。
「客としては初めてだよ?」
「えっ?どういう意味?」
「ここ、一昨年に俺が施工したとこ。ウチの会社で請け負ったとこだよ。知らなかった?」
環は合点し、勘違いしていたことに気付き、見る見る間に赤くなる。
「ごめん、紛らわしかったよな?
でも、たまちゃんと行くとこは初めての場所にしような。」
頭に手を置いた。
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