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龍二は話を聞きながら、煙草のフィルターに火をつけていた。
「すっごい良い子じゃん。素敵な出会いだね。」
「うん、あたしもそう思う。
それから、マリーはあたしのために奔走してくれた。
悪い仲間との関わりを断たせ、わざとわからないスラングを使う子の言葉をわかりやすく説明してくれた。
で、目標は英語をきちんとマスターして、胸を張って帰ることにした。
今でもマリーとは仲良しなまんま。メールをちょこちょこしてる。あんまり会えないんだけど。」
仄暗い室内で、龍二が吸う煙草の先端がオレンジ色の光を放っていた。
「人生で…とか言ったらオッさんくさいけど、すっごい数の出会いがあるんだって。
その中で先に繋がる出会いってのはほんの僅かで、続いていくのも一握り。
まだ焦んなくても大丈夫。ゆっくり、たまちゃんのペースで目標を見つけていったら良い。」
ほとんど吸わなかった煙草を灰皿で消して、龍二は環の頭を撫でた。
その顔は優しさで溢れていた。
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