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元々、龍二は設計が一番好きなのだが、如何せんやることや覚えることがたくさんある。
大学時代から変わった建築関連の法を学び直さないといけない部分もあったし、忘れていることも多々あった。
デスクワークと思われがちだが、現場に出ることもしばしばで 、工程に遅れが出ていれば龍二自ら手伝うこともあった。
それでも残業は減り、給料も以前の残業代を足した給料よりは貰える契約になっていた。
実質上の昇給、昇進だった。
自分が頭で思い描いたものをスケッチする。
どこに何をどう配置するか、出来上がった時の動線やその場所の使用目的などを考える。
模型を作り、納得できなければ作り直す。
実際に予算内に収まるように出来るとガッツポーズを取った。
仕事に対する喜びが、以前よりも多く持てた。
毎日が充実していた。
何かが欠けていた。
埋まらない隙間があった。
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