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会社は個人宅の工事は行なっていないが、今龍二が妄想するのは将来の家だった。
密かに夢見ている。
誰にも言えない妄想とも取れるもの。
真四角の箱に大小さまざまな窓。
二階建てにして中二階に秘密基地のような部屋と屋根裏部屋も欲しい。
まるでおもちゃ箱のような家。
きっちりした壁には輸入壁紙を貼ろう。
鉄パイプの無骨な脚に一枚物の板を乗せたオリジナルのテーブルも格好良いな。
でも、長く住むなら飽きが来ない家族の気配を感じることが出来る平屋でも良い。
木をふんだんに使い、無垢材を使いたい。
いずれにしろ、子供とキャッチボールが出来るくらいの庭。
妄想の中、側にいるのは…。
環だった。
家の話をしても、未沙は龍二の好きなようにして良いと言う。
それどころか、少女趣味みたいだとからかわれるように言われたことすらあった。
環ならば、以前話したように、きっと自分が思いつかないようなことを言い出すに違いなかった。
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